( 労働災害防止のために行政からなされるいろいろな行動要請に対してどう対応するかという私見を書いてみました )
経営トップの参加の下に安全衛生パトロールを実施するなど、職場における安全衛生活動の総点検を実施すること
安全衛生パトロールを実施する際は、見るべきものを整理しておく必要があります。例えば、設備の不備を探し出すのか、担当者の安全衛生活動実施状況を確認するのか、従業員の安全衛生行動を確認するのか等々です。もちろんすべてを網羅しても結構です。そして、設備の不備については、過去に同様の不備が発生していないかどうか、その事象の背景にある原因は何かを幅広に追求しなければなりません。担当者の活動状況、従業員の行動を確認する際も不備については過去の状況や不備の背景等を追求することは同様です。さらに、求めている活動等の内容は適切なのか、欠けているものはないか、より効率的に行える方法はないか、等を検討するための材料としなければなりません。
これらの目的を達成するためには、安全衛生パトロールを実施するスタッフは、そもそも設備の正常状態はどうあるべきなのか、担当者の実施事項はどのようになっているのか、従業員のとるべき行動はどのように定めてあるのか、等々をしっかり把握しておかなければなりません。これらを把握したうえでパトロールを実施し、ルールに沿って頑張っている従業員や担当者には感謝や労いを示さなければなりません。不備については、それにかかわる者をその場で叱責してはなりません。話を聞いてその原因等を把握したうえで、正しい対応をしなければならないからです。もしかしたら不備の原因はパトロールを実施している側にあるかも知れないのです。
そして、何より、この要請は「経営トップの参加の下」とされています。経営トップの参加は、企業内にトップの本気を示す絶好の機会となります。トップが各従業員の求められている事項を具体的に把握していて、それを確認している姿で各従業員は自分たちの頑張りをトップが認知していると感じることができます。トップは本気なのだとわかります。くれぐれもご注意ください。経営トップは安全パトロールで失敗してはなりません。失敗は逆効果しか生まないからです。
2021/09/22 ( 文責 : 丸山ひろき )